Zスコアは統計学で使われる指標で、あるデータが平均からどれだけ離れているかを標準偏差の単位で表したものです。トレードでは、「トレード間の従属性」の評価に使用されます。
計算式
一般的な形式は:
Zスコア = (値 - 平均) / 標準偏差
Zスコアの値が大きい(正または負の方向に)ほど、そのデータは平均から離れていることを意味します。
トレード間の従属性の評価
トレード間の従属性とは、あるトレード結果が次のトレード結果に影響を与えているかどうかを評価するものです。トレードが互いに独立であれば(理想的な状態)、勝ちや負けの連続は純粋な確率によって生じるはずです。
Zスコアの解釈
得られたZスコアは以下のように解釈できます:
- Zスコアが0に近い:トレード結果は互いに独立している可能性が高い(理想的)
- Zスコアが負で絶対値が大きい:トレード結果には正の自己相関がある(勝ちの後に勝ち、負けの後に負けが続く傾向)
- Zスコアが正で絶対値が大きい:トレード結果には負の自己相関がある(勝ちと負けが交互に現れる傾向)
一般的には、Zスコアの絶対値が1.96を超えると(5%の有意水準で)、トレード結果に統計的に有意な従属性があると判断できます。
このような分析はトレーディングシステムの健全性を評価する上で重要です。理想的なシステムでは、各トレードは互いに独立であるべきです。依存性が高い場合、システムに改善の余地があることを示しています。