安定性スコアは、リターン(利益率)の変動係数(Coefficient of Variation、CV)に基づいたもので、「リターンのばらつき度合い」を表した指標です。
変動係数は「標準偏差÷平均」で計算され、リターンのばらつき度合いを平均値に対する相対的な割合で表します。
このスコアは以下のように考えることができます:
- 高いスコア(100に近い):
- リターンの変動が小さく、安定している
- 予測可能性が高い
- リスクが比較的低い
- 低いスコア(0に近い):
- リターンの変動が大きい
- 不安定で予測困難
- リスクが相対的に高い
計算方法の詳細
- 変動係数(CV)を計算:CV = 標準偏差 ÷ 平均利益率 × 100
- 安定性スコア = 100 – CV(ただし0から100の範囲に制限)
この計算方法では、変動係数が大きいほど安定性スコアは低くなります。平均利益率が0に近い場合は、安定性スコアを0としています(ゼロ除算を防ぐため、および平均がゼロの場合は有意義な安定性の指標にならないため)。
安定性スコアの活用方法
- トレード戦略の比較:異なる戦略間でどちらがより安定しているかを比較できます
- リスク許容度との整合性:低リスク志向の投資家は安定性スコアが高い戦略を好むかもしれません
- 戦略の改善:同じ平均リターンでも安定性スコアを高める方向に戦略を改善できます
他の指標との関連性
- シャープレシオ:リターンの変動に対するリスク調整後リターンを示します(高いほど良い)
- ソルティノレシオ:下振れリスクに対するリターンの質を示します(高いほど良い)
- 最大ドローダウン:資金の最大損失率を示します(低いほど良い)
安定性スコアは特に、長期投資や機械的なトレードシステムの評価に重要です。一貫性のある結果を示すトレード戦略は、短期的には華々しくなくても、長期的には良いパフォーマンスを示す傾向があります。
このスコアが高いからといって必ずしも良い戦略というわけではなく、他の指標(特に期待リターン、リスク指標)と合わせて総合的に評価することが重要です。